高コスト投信の乗り換えを実行しました
あいかわらず株式市場は元気がありませんが、この株価の下落を利用して、コスト高めの旧世代インデックス投信から今どきの商品への入れ替えを行いました。
売ったのは、今や高コスト投信になってしまった、
です。
それぞれeMAXIS Slimシリーズの相当品にスイッチしました。
投信のスイッチについてはすでにご存じの方も多いと思いますが、簡単に整理しておきます。
含み益を抱えている投信を売却すると、その時点で税金がかかります。
持ち続けていれば課税を先送りすることができ、その先送り分からも運用益が得られます。
一方スイッチによって、信託報酬を下げることができます。
どちらが得になるかは、含み益率(p)、譲渡益にかかる税率(t = 20%)、運用利回り(r)、スイッチ前後のコスト差(d)によって決まります(本当は、売却時にかかる信託財産留保額も考慮すべき)。
あまり自信がありませんが、おおまかには
p×t×r > d
なら持ち続ける方が得で、
p×t×r < d
なら、スイッチする方がいずれ得になる、という関係だと思います。
新興国株式はSMT、eMAXISともに、含み益率 p が5%を切るくらいでした。
利回り r は将来の予想ですが、とりあえず期待を込めて5%とします。
(r =5%だと税率20%で t×r =1%になります。10%の含み益がコスト差0.1%に見合う考えると、分かりやすいですね)
この値を使うと左辺は、
p×t×r = 5%×0.2×0.05
= 0.05%
です。
コスト差 d(右辺)は、信託報酬(隠れコストは考慮せず)と証券会社のポイントサービス(マイナスのコスト)で考えることにします。
SMT、eMAXIS(fat)の新興国株式の信託報酬は0.66%(消費税10%)、それに対してeMAXIS Slimは0.2079%です。
ポイントサービスは、スイッチ前のSMTとeMAXISが0.1%、スイッチ後のeMAXIS Slimは0.05%です(SBI証券で残高1000万円未満の場合)。
したがって、
d = (0.66 - 0.1) - (0.2079 - 0.05)
= 0.4021%
になります。
上の式に両辺当てはめると、
0.05% < 0.4021%
なので、スイッチした方がよさそうですね。
たわらノーロード先進国株式とeMAXIS Slimのコスト差は0.1%程度と小さいのですが、目下たわらの損益がマイナスのため、計算するまでもなくスイッチ一択です。
なお今回は、損失を埋める利益が新興国株式売却で出ており、損益通算を別途考慮する必要がありません。
分配金の出ない投信をバイアンドホールドで運用している場合は、損失に見合う利益(実現益)を出さないともったいないです。
新興国株式のスイッチ操作に関しては、売却と購入を同日に発注したので、たぶん損得なしのはずです(約定日が同じなら?)。
先進国株式の方は購入資金が残っておらず、売却したお金で買いました。
これだと売却と購入に数日のタイムラグが生じてしまうのですが、たまたま今回はその数日間でさらに値下がりしたため、ちょっとだけ得になりました。
さて、今回のスイッチで高コスト旧世代投信一掃、とはなりませんでした。
2013年ころ購入し、数十パーセントの含み益が乗っているeMAXISやSMT、Funds-iの先進国株式等は、この程度の下落では乗り換え対象になりません。
いえ、もちろんリーマンショックの再来はいやなので、乗り換えチャンスが来ない方がうれしいです。
なにはともあれ、低コスト投信へのスイッチは、ずっと以前に実行しておくべき宿題でしたので、こどもの夏休みの宿題ともども、なんとか片付けられてよかったです。