こんなときは「売るなり買うなり、何かしなくちゃ」と考えますが...
国内外問わず、株価が乱高下しつつ、数週間のレンジで見ると10%超下落しています。
平時は「インデックスファンドの積立て投資派」を標榜する私ですが、いざ事件が起こると、心穏やかでいられません。
修業が足りないと言われればそのとおりなのですが、どうしたって「新型コロナウィルスの世界的な流行は、止まらない。だから株価はまだまだ下がるはずだ。今は売った方がいい」という相場観が妥当な気がしてくるわけです。
いやいや、落ち着け自分。
なぜ私が「インデックスファンドの積立て投資派」であるかというと、一度に大金を投資するほどお金持ちでないという懐事情は別として、相場の変動を予測する能力がないからです。
だからこそ、相場の流れに身を任せ、病めるときも健やかなるときも、積立てを続けてきたわけです。
で、平時にできない市場の予測が、この大荒れ相場の中で突然可能になるでしょうか。
無理ですよね。むしろ、もっとできません。
そうは言っても「まだまだ下がる」という予想はやっぱり当たりそうな気がするわけですが、「ではどこまで下がるの?」「いつ買い戻せばいいの?」に答えられないなら、結局やれることは多くありません。
ということで、「このままリーマンショックを超える暴落に突入するのでは?」という恐怖をなんとか宥めつつ、これまでどおり毎月の積立てを続けたいと思います。
株価も気になりますが、なにより新型コロナ自体が一日も早く終息してほしいと願います。
子どもは比較的かかりにくい、重症化しにくいとのことですが、やはり我が子が心配です。
そして一番危ない世代とされる老親も感染しないことを祈るばかりです。
おまけ
カミュの「ペスト」が売れているという新聞記事を見かけました。
いかにも難しそうな気がして読んだことはなかったのですが、ペストの流行を描いた小説なのですね。
この記事につられて思い出した小説をいくつか。
コニー・ウィリス「ドゥームズデイ・ブック」とジャック・ロンドン「赤死病」。
「ドゥームズデイ・ブック」は、ウィリスのSFの中でも、とても印象深い作品です。
タイムマシンで中世イギリスに実習に行った史学生がいきなり病に倒れ... というパンデミックが描かれた長編です。
読まれて気に入った方は、口直しに姉妹編(?)「犬は勘定に入れません」と、全然関連はないですが「航路」(私には「ドゥームズデイ・ブック」より、さらにずっしり来ました)もぜひ。
「赤死病」もSF的な小説です。
「赤死病」という伝染病の大流行後の世界が描かれています。
1912年発表とのことで、このジャンルで先駆的な小説らしいです。
新型コロナウィルスが、多数の死者を出しているとはいえ、文明を崩壊させるほどの病気でなかったことは、不幸中の幸いというべきでしょうか...
もう一つ、アーダルベルト・シュティフター「石さまざま」の中の短編です(たしか「みかげ石」)。
ペストの流行が村に伝わる昔の話として語られます。
ペストから自分だけ逃れようとする人が登場しますが、簡単に「愚か」とか「身勝手」とかと片付けられないなあと思うようになりました。
そういえば小説ではありませんが,大和和紀「ヨコハマ物語」に、アメリカの日本移民街で天然痘が流行するエピソードがありました。
病気そのものに加えて、人種差別とも戦わなくてはならなくなります。
今回の新型コロナで「〇〇人が...」の差別が日本の一部で起こり、ところがヨーロッパ等では「日本人が...」「アジア人が...」という差別の対象になっています。
なんとも愚かで悲しいことだと思います。