10万円と2000万円
ようやく10万円の一律給付が決まりました。
お肉券やお魚券や旅行券は論外、ほとんどの人が対象外になる制限付き30万円もだめ、国籍で差別するな。
ちゃんと声を上げることが大切だと実感しました。
一刻も早く振込みを開始してほしいと思いますが、今度は世帯主が申請とか、またまたトラップを仕掛けてくるのは、いったい何なんでしょうね。
さて、今回の10万円給付の議論を聞きながら、昨年話題になった「老後2000万円」を思い出しました。
「老後に2000万円不足するから、みなさんがんばって貯蓄や投資で貯めましょう」に対して「そんなの無理」という声が沸き起こりました。
私もなんとなく批判的な意見を書いたのですが、認識が甘かったと反省しています。
現在の日本には、ネットカフェの営業休止で路頭に迷う人が東京だけで数千人とか、派遣の仕事がなくなって今月の家賃を払えないとか、アルバイトができないため生活費も授業料も稼げないので退学を考える学生とか、10万円の給付が一刻を争うという人が多数いるのです。
それに続くのは全体の2割とも3割ともいわれる「貯蓄なし」世帯です。これから間違いなく襲ってくる景気悪化で失業、そこまでいかなくても減収となれば、たちまち生活が立ち行かなくなります。
こんな脆弱な経済基盤の上で暮らす国民に対して、「老後に備えて2000万円」とアナウンスしていたわけです。
私はあのとき、もっともっと怒らなくてはいけませんでした。
そんなことできっこない。2000万円貯められるだけの収入を得られる国にしろ。2000万円貯めなくても老後を暮らせるようにしろ。
「2000万円」でいくら怒っても、新型コロナウィルスの発生を止められたわけではありません。
でも私たちが、おかしな政治をその都度厳しく批判していたら、この緊急事態にお肉券やお魚券や布マスクなどというふざけた政策は出てこなかったでしょう。
そしてやはり、選挙ですね。
「政治家なんて誰でも同じ」でないことが、はっきり分かりました。
ところで、10万円の給付金、どうしましょうか。
苦境にあえぐ地元のお店で使うとかがよいのでしょうが、外出もままならない中では、なかなか難しいですね。