海外債券どうする?
投資における資産配分(アセットアロケーション)は三者三様、十人十色のおもしろいテーマです。
さまざまな方の配分とその理由を読むと、とても興味深く、参考になります。
テンバガーを狙う数銘柄に集中投資している方と,毎月決まった日にインデックス投信を自動購入している方とで配分が全然違うのは当然ですが、インデックス積立投資派に限っても、
など、さまざまな考えがあります。
私は「国内のリスク資産に投資しない」こと以外、確固たるポリシーを持っていないのですが、分類するなら「5 REITも持つ」です。「手広く分散」系ですね。
どれがいいかよく分からないから、とりあえずいろいろ持っておこうという八方美人タイプ(ちょっと違う?)です。
配分比率は、かなりいいかげんです。
現在の目標配分比率は、先進国株式:新興国株式:先進国債券:新興国債券:先進国REIT=60:15:15:5:5 にしています(下のグラフ)。
最近考えついた比率のため、実際の資産とはかなり乖離がありますが、そもそも大した根拠もないので、今後の積立てでゆっくり近づけていけばいい、くらいののんびりした目標です。
さて、上のグラフの「9時」のラインに、外債投資を「する派」「しない派」の境界があります。
「外債不要」の根拠は概ね、
- たとえ見かけの利率が高くても実質的なリターンは国内債券と変わらない
- にもかかわらず外債には為替リスクがある
- したがって割に合わない
というように説明されているようです。
これはなるほど、説得力のある論です。
きっとそのとおりだと思います。
なのですが、私は「日本の財政破綻あり得る派」なので、為替リスクよりも国内債券や円預金が紙くずになる可能性の方が心配です。
だからまず、債券を持つなら外債なのです。
その上で為替リスクに関しては、
- 債券だけにかかるリスクではない
- 為替レートは長期的にはきっと、そのときどきの「あるべき水準」に戻ろうとするはず
と思っています。
したがって株式であれ債券であれ、いったん海外資産に投資したのちは、為替レートに起因する、円ベースでの資産額の変動は心穏やかに受け入れたい、と覚悟しています(実際に1ドル70円の円高が襲ったときに心穏やかでいられる自信はありませんが)。
そんなわけで、(現地通貨ベースでは)株式より値動きがマイルドであるという債券の性質に期待して、私は外債を持っています。
とはいえ、海外債券もゼロ金利政策下の日本国債ほどでないにせよ利回りが低下しています。
たとえば日興の「上場インデックスファンド海外債券(1667)」の分配金利回りは2012年2月期の5.06%(月の分配金×12/基準価額)から、2019年5月期には2.98%と7年前の6割に低下しています。
アメリカに関しては、長短金利の逆転なんてニュースもありますね。
こうなると、国内債券のかわりに預金や個人向け国債を選択するのと同じ理由で、外債ではなく現地通貨ベースのMMF等の、よりキャッシュに近い資産の方が目的にかなっているのでは、と思わないでもありません。
問題は、「FTSE世界国債インデックス」の国別構成比率に合わせてMMFを買うのは面倒すぎるし、そもそも取り扱いのない通貨もあることです。
せいぜい上位4通貨くらいに限定するのが現実的なところでしょうか。
以上が、「海外債券どうする?」に対する当面のスタンスです。
おまけとして「目標配分比率」の11時以降になる新興国債券、先進国REITについては、やっぱり不要かなあと思うことがよくあります。
特に新興国債券は、私が債券に求める「低リスク」性を備えていませんので、積極的に持つ理由はなさそうです。
まあ、総資産が1億円とかいうのならともかく、金額ベースで見るといまのところ大勢に影響ないのでそのままにしているというのが実情です。
なお、BB家の金融資産の半分以上は円預金(財政破綻が心配などといいながら)なので、上に書いたほどアグレッシブな運用をしているわけではありません。